音符が読めない方へ|ピアノ音符カードアプリを作った理由

ピアノ音符カード 五線譜 練習画面




ご縁があって一緒にピアノを弾く生徒さんには、音符が読めるようになってほしい。
進級、進学して忙しくなりレッスンが続けられなくなっても、音符さえある程度読めていれば、いつかピアノが弾きたいな、好きな曲を弾いてみたいな、と思った時に一人でも取り組むことができるのではないか、そんな思いでレッスンしています。
しかし、音符を読むことは向き不向きもあり、時間がかかる方も一定数います。

そんな場合でも、少しでも楽に身につけて欲しいという思いで、アプリを作りました。
ピアノ音符カード 弾いて自動判定!先生のピアノ練習法(通称:ピアノ音符カード)です。

五線譜・楽譜が読めないお子さんや、音符カードの自宅練習にお困りの保護者の方に向けて、このアプリを開発した詳しい理由——レッスン現場とご家庭の練習で見てきた「読譜の壁」について書きます。

音符が読めないまま弾くと、どんどん読めなくなる

「ドレミファソは言えるのに、五線譜になると止まってしまう」——レッスンで何度も見てきた悩みです。

音符を読むのが大変だと、楽譜を見る習慣そのものがつきにくい。すると、自宅では、とにかく楽譜の音符を覚えて楽譜を見ないで弾く練習ばかりが進み、音符を読む回数はどんどん減っていきます。すんなり音符が読めたら、楽譜を読みながら弾く習慣が身につき、曲を弾くたびに音符を読むので、ブーストがかかってどんどん音符が読めるようになるのです。
でも、音符を読まないから読めない。読めないから、ますます読みたくない——そんな悪循環に陥りやすいのが、読譜の壁です。

レッスンでは、音符カードや初見譜の練習を大切にしています。でもご家庭では時間も限られ、正解をその場で確かめるのが難しい。かつてはバスティンの音名フラッシュなども助けになりましたが、今は手に入りにくい教材も増えています

「家でも、レッスンと同じように、正しく弾いて練習してほしい」——その想いから、ピアノ音符カード 弾いて自動判定!先生のピアノ練習法を開発しました。

音符の読み方にも向き不向きがある(縦読み・横読み)

先ほどお伝えしたとおり、長年見てきて、人によって差ははっきりあると感じています。
すんなり読める子と、なかなか読めない子がいるのは事実としてあり、縦読みが得意(線、間で丸暗記)な子と、横読み(ドの隣はレ)が得意な子がいます。

大人の方は、ほとんど横読みが得意です。縦読み(線・間の並び)に慣れると、さらに速く読めるようになる方も多いです。

この見極めもポイントだと思っていて、縦読みが苦手であれば、九九を丸暗記するように、音符カードで丸暗記をしてしまえば、後がとっても楽になるのです。
ただ、九九の丸暗記を思い出していただければ分かると思うのですが、その期間はなるべく毎日暗記のために練習していたと思います。
一定期間でよいので、集中的に暗記する時間が必要なのです。

もちろんレッスンでは、読めるまで毎週練習をするのですが、一週間何もやっていないと、ほぼ忘れています。できないので、お子さんは自信を無くし、保護者はまたできない、とイラだってしまう。これも悪循環ですよね。

とくに、お子さん本人が「できない」と自信を無くしてしまうのは、大きな問題だと思います。

宿題の曲を一生懸命練習してくるご家庭でも、この「音符カードを丸暗記する集中した時間」を捻出されないことが多くあります。親子で音符カードをすると、お子さんが嫌がるというご意見もありました。
レッスンで保護者にはお話をするのですが、なかなかご理解いただけないこともあり、歯がゆい思いをすることも多々あります。
しかし、お試しにご協力いただいたお子さんに「なるべく毎日やってみてください」とお伝えしたところ、練習記録のスクショを見せてくださり、正しく読めた枚数が着実に増え、使用している教本でも以前よりスラスラと読めるようになっています。

九九が覚えられる子で、音符カードが暗記できない子はいないと思います。
必要なのは、一定期間でよいので集中して正しく読む練習環境を整え、時間を捻出すること。
音符カードは音名を言って裏を見て合ってるか確認はできるのですが、鍵盤の正しい場所の判定が難しいのが難点でした。

※ちなみに、横読みが苦手な方用に作成したアプリが、楽譜読みゲーム ドレミとけんばんです。

家で音符カードをやると、こんなことありませんか

ピアノの横で、お母さんやお父さんが音符カードを見せて「この音、どこ?」と聞く。

「そこじゃないよ」と言っても——

「でも、ソだからいいじゃん」

……子どもって、どうしてもそうなりますよね。正しい場所で、正しい高さで弾けていないのに、なかなか直らない。

五線譜には、こうした落とし穴があります。

ドレミファソと書いただけでは、「どこのド?」は分かりません。 ソラシドと書いても、鍵盤のどこを押せばいいかは、文字だけでは伝わりません。五線譜は、音符の高さ——「この高さの、この音」を教えてくれるものなんです(音符を読む・楽譜を読むの記事でも、読譜の考え方を詳しく書いています)。

レッスンでも、私が「そこじゃないよ」と何度言っても、「ソだから別にいいでしょ」と顔されたり、「うるさいな」と思われたり……何度説明しても直らないお子さんも、実は珍しくありません。わかっているのに、めんどくさいからそのまま、ということも多いのです。

大人の方も同じで、「分かっているはずなのに、また間違えちゃった」「ここじゃなかったんですか」と、レッスンで恥ずかしそうにされることもあります(練習でイライラ…同じミスを繰り返す理由もあわせてどうぞ)。

紙の音符カードも、レッスンでは大切にしてきました

アプリの話の前に、ひとつだけ。私は紙の音符カードも、これまでずっと大切にしてきました。

ピアノは指先を使う楽器です。小さなお子さんほど、普段から指先をたくさん使っておかないと、いざピアノを弾くときの指の運動が足りなくて、ピアノを弾くまでにもとても大変になってしまいます。ピアノのけんばんは、大人と同じです。小さな子どもの指にとって、とても重たいものでもあるのです。ですが、「ピアノを何時間も練習しなさい」と小さな子に言うのは、現実的ではありません。

だから、遊びの中や積み木、いろいろなことをしているときに、指をいっぱい使って指の発達を促してほしい——そう考えてきました。最近はトランプをあまり触らないお子さんも多く、うまくめくれない子も増えています。紙の音符カードをめくる・配るという作業を毎日続けるだけでも、指先はかなり使います。紙のカードには、そうした意味でも大きな価値があります。

ただ、紙のカードには弱点もあります。音の高さが分かりにくことと、記録が残りにくいこと。お母さんが一生懸命記録してくださったり、お子さん自身が「今日は何枚!」と楽しんで記録を書いて持ってきてくれたりすることもあります。でも、毎日続けるのはなかなか難しいご家庭も多い。

そして今、スマホやタブレットに親しんでいるお子さんたちは、環境が違います。紙のカードだけに食いついてくれるわけではない——それも自然なことだと、私も感じ始めています。レッスンでは、音符カードをめくったり、トランプで遊んだり、レッスンならではの時間をこれからも大切にします。でも、それが向かないお子さんに「自宅で紙の音符カードを必ずやって」と言うのも違うと思うのです。

だから、ピアノの譜面台にスマホを1台置けば、すぐ始められる——音の高さもマイクが自動判別してくれる——そんな道具が、今のデジタル世代のご家庭には合っているのでは、とアプリを作りました。紙のカードと敵対させるつもりはなく、向き不向きに合わせて選べる補助として考えています。

だから、アプリでは「×」ではなく「?」にしました

ピアノ音符カード 弾いて自動判定!先生のピアノ練習法では、間違えてもいきなり厳しい×ではなく、クエスチョン(?)で知らせます。

「あ、違うんだ」「この?がついている限り、先に進めないんだ」——アプリがやんわり教えてくれるので、お母さんや先生が「そこじゃない!」とガミガミ言わなくて済みます。お子さんにとっても、保護者にとっても、先生にとっても、みんながハッピーになれる練習を目指しました。

?がついたままだと、先に進めなくて今日の記録が更新されない、昨日より枚数が増えない——そう気づくと、自然と「ちゃんと読んで、ちゃんと弾こう」という意識が芽生えます。紙のカードでは続きにくかった記録づけも、アプリなら自動で残ります。これも、意図して組み込んだ仕組みです。

ピアノは「時間の芸術」。だから、正確に読む習慣を

ピアノは、一度弾いてしまった音は、あとから取り消せません。だからこそ、音符を正確に読む習慣が大切です。

お子さんほど「とりあえず弾けばいいや」になりがちですが、楽譜を読む練習は、当てずっぽうで進めるものではありません。音符カードも、正確に、毎回読む——その習慣づけのために、このアプリを作りました。

家での練習を支える主な機能

  • 弾いて自動判定 … 五線譜に音符が出たら、実際のピアノを弾く。マイクが音程・音名を判定(低いドと高いドも区別)
  • 記録ログ … 毎日の練習が残るので、「昨日より良くなっている」と実感しやすい
  • 復習モード … 苦手な音符だけを集中的に練習
  • チャレンジモード … ?が5個たまると、1分間ゲームの前にゲームオーバー。気をつけて弾かないと、スコアが伸びない
  • 段階的な練習導入練習どこのド?基本練習(ト音・ヘ音・大譜表)/ポジション練習縦読み練習加線練習調号練習 など

短時間の反復で、家でも恥ずかしがらずに練習できます。レッスンでは初見演奏(3回まで・覚えずに読む)の時間を大切にしているので、読譜の確認を家で済ませられる自宅練習の土台になれば嬉しいです。

App Store — ピアノ音符カード 弾いて自動判定!先生のピアノ練習法

iPhone・iPad 向け。教室の生徒さん向けに作りましたが、通われていない方もご家庭の読譜練習にご利用いただけます。無料でお試しの範囲あり・買い切りオフライン・マイクは採点のみ(録音送信なし)。ダウンロードは保護者の方の操作をおすすめします。

App Store で見る

このアプリを通して、他のアプリも生まれました

音符カードアプリを作る過程で、「アプリならこういう困りごとも解決できるかも」と、少しずつ作り方が分かってきました。

新規入会の4歳の男の子が、レッスン前から楽しみながら鍵盤に慣れられるように——ドレミけんばん|おすしで音名ゲーム(通称:ドレミおすし)を開発しました(【アプリ紹介】ドレミおすしGoogle Play もあり)。

小学校1年生で引っ越しで他の教室から移って来られたお子さんは、ドレミファまでは言えるのに、鍵盤を見ても「どれがド?」が分からない。ソラシドになると迷う——そんな音名と鍵盤、横位置のズレを、ゲームでつないでほしくて、楽譜読みゲーム ドレミとけんばん(通称:まわる)を開発しました。

鍵盤の入口 → 五線譜と鍵盤をつなぐ読譜 → 弾いて自動判定のドリル。段階に合わせて選べるように、シリーズとして整えています。

段階 App Store 名 こんな方に
1 ドレミけんばん|おすしで音名ゲーム 鍵盤・ドレミ・音名のはじめ
2 ドレミ観覧車(836) 音が上がる・下がる練習
3 楽譜読みゲーム ドレミとけんばん 五線譜と鍵盤をつなぐ読譜の入口
4 ピアノ音符カード 弾いて自動判定!先生のピアノ練習法 譜面を弾いて自動判定するドリル

楽譜読みゲーム ドレミとけんばん(まわる)はタップ中心の読譜ゲーム、ピアノ音符カードは譜面ドリル+マイク採点が中心です。似ていますが別アプリです。

制作:Muse Piano Lab ™/指宿ミューズピアノ教室