今回、基本オンラインレッスンの生徒さんが金賞を受賞されました!
オンラインでは、さすがにコンクールは厳しいのでは、しかも全国大会だし、、、と指導者の私も、保護者も思っている状態での快挙!
感動が薄れぬうちに、ここに闘いの記録を、差し障りのない範囲で残しておきます。
一昨年の秋に、指宿から車で片道1時間以上離れた場所にお引越しをされ、基本オンラインでのレッスンを続けているEくん。
ご兄弟でコンペなどのコンクールも受けてきましたが、オンラインになるということで、保護者からも、無理はせずピアノを楽しんで続けてもらえたら、というお話でした。
私も同意見で進んでいたのですが、ある日、僕もお兄ちゃんみたいにコンクールに出てトロフィーが欲しい、と言い出した小学2年のEくん。
まさかそんなことを考えていると思っていなかったのでビックリ!
保護者から相談を受け、バッハコンクールの予選がまだ締切られていないと、とりあえず曲だけ決めて滑り込みで申し込み完了。これが9月29日のこと。
申し込みをしてから、練習を始めました(笑)
トロフィーが欲しいとのことだったので、小学1,2年A部門を選び、本番まで2ヶ月だし、すぐ弾けて負担の少ない曲を選んだら、ちょっとやれることが限られて(^^;;;
鹿児島予選では優秀賞。。。トロフィーもらえない(涙)
しかし予選通過したことで、全国大会にチャレンジしたい(トロフィー欲しい!)と連絡がきて、本人は気に入っていた予選曲のままを希望しましたが、君の演奏能力をもっと発揮できる曲の方がよい、と別の曲にチャレンジすることに。
曲を決めて楽譜を渡したのが、12月17日。本番まで2か月を切ってました。
すぐに指番号はどうしたらいいですか?最後の音の長さは、4拍くらい伸ばしたいけど、どうですか?など本人から質問が←実はこの時点で、いけるかも、と私は思ってました!
大晦日の日は指宿まで来れるとのことで、対面レッスンをしました。
この日には、かなり丁寧に演奏できるようになっていて、驚いたことを覚えています。
「対面レッスンに行けるから、その日までにある程度仕上げよう」と本人が頑張っていた、とお母さまから伺い、子どものパワーを感じました。
そこから、お忙しい中なんとか都合をつけられ、全国大会まで2回の対面レッスンに来られましたが、他はオンラインでのレッスン。
全国大会前、最後の対面レッスンは1月20日!全国での演奏は2月11日でしたから、不安も感じました。
しかし、ここからが凄かった。
指、手首、腕の使い方、両方の音をよく聴きながら弾くことに、さらに強いこだわりを持って自宅練習を始めたのです。
レッスンでは、もう表現力は充分!強弱もよいし、フレーズも美しい!とにかく音色、音色!美しい音を作ること!と再三伝えていましたが、回数だけただ重ねて練習してくる生徒さんが多い中、これは凄かった。
オンラインで、腕の高さはこのくらいがいいよ、と私の真似をさせたり、手首に余計な力が入っていないかな?指先は○○でね(合言葉を作っています♪)など声かけはしましたが、本人に音色へのこだわりが無ければ、その言葉は右から左へと流れてしまいます。
お仕事のため移動中のお母さまが、オンラインレッスンにスマホから参加され、レッスン室と自宅とお母さまのスマホの3ヶ所で接続したこともありました。コロナ禍がなかったら、考えられなかったかも!
お母さまは基本レッスンを見ているだけですが、どんなことに注意して自宅練習したらよいのかを確認されていたのだと思います。
ママもレッスン見てるみたいだよ!とEくんに声かけしたら、嬉しそうにしていたのが印象的でした。
そして驚くべきことに、なんと自宅での練習もお母さまが遠方からZOOMでサポートしたそうです!
これには、私もビックリ!その手があったか!という感じでした。
付きっきりで練習にお母さまが付き添える状況でないにせよ、時間が合った時に、レッスンでしたことを忘れずに気をつけて自分で練習できているか、確認してくださっていたのだと思います。
その効果もバッチリで、毎週のレッスンのたびにグングン音色も良くなっていきました。
肘の高さの調整や、無駄な力が入っていないか、対面レッスンでは実際に生徒の腕を持って確認してしますが、見て真似ること、言葉で説明されたことを行うことの大切さをしみじみ感じました。
そのためには、自分で「こういう風に腕を使えばよかったのかな?」とレッスン後にいろいろ試して、研究する必要があります。
そういうプロセスこそが大切で、人間を成長させるのではないかと。。。
小さな子ほど、体の感覚で覚えやすいので、感覚のよい子は少し腕を持ってあげるだけで、良いフォームで弾けて音も綺麗になります。
でも、自宅ではすっかり忘れて適当に弾いている子が多い。
次のレッスンでは、また良くないフォームで弾き、また私が調整する、の繰り返し。
結局、何年経っても身につかない。
これでは考える力や、自分でしっかりと身につけようとする力は伸びにくいですよね。
Eくんは東京に移動した後にお部屋にグランドピアノのあるホテル(音泊)に宿泊し、最後の仕上げをしましたが、その時に送ってくれた演奏動画で、数ヶ所音が固くでている所がありました。
LINEでメッセージを送り、腕の使い方などを説明して送ったら、すぐに修正した動画が送られてきて、綺麗な伸びる音を出してきました。
普段、オンラインで私の説明された内容から、腕の使い方を研究しているからこそできたことだと思います。
どういう風に指や腕を使えば自分が理想とする音がでるのか、親子で研究して、一人でもきちんと考えながら練習できたことは、今後、もっと複雑な音色が必要となる時でも対応できるのでは、と期待大です。
本当に理想的なプロセスで成長し、金賞を受賞したEくん!
オンラインだから、と、なよっていた自分が情けない(笑)
車で片道1時間以上はかかる距離を、目標に向かって頑張っている息子のためにと、お忙しい中送迎され、本人も「対面レッスンに行けるから!」と頑張った経験は、普段当たり前にレッスン室に来ている子にはちょっと分からない感覚かもしれません。
また来週どうにかすればいいや、ではなく、対面レッスンの日までにしっかり仕上げていきたいという気持ち。
ちなみに、彼のもう一つ偉かったことは、東京に向かう前日のオンラインレッスンも、教本をいつも通りのペースでやったことです。
全国の曲は、10分くらいかな、教本は40分くらい見たと思います。それくらい、きちんと普段から教本に取り組んでいることも、今回の受賞につながったと思います。
数回は対面レッスンには来ていたものの、基本オンラインでここまでできたのは、私も自信につながりました!
言葉を受け取ってくれないとオンラインでは無理なので、もちろん彼の理解力も大きいのですが。
金賞受賞後のオンラインレッスンでは、嬉しそうに念願だった大きなトロフィーを振り回していました(笑)
舞台に出るとピアニストのように演奏しますが、普段は、明るく賢く、元気な小学2年生の男の子です。
笑顔で終われてホッとしました。